今回は、ママたちが気になる「子供のアレルギー」についてお伝えします。
今や国民の3人に1人から、2人に1人と増加しているといわれる「アレルギー」。
アレルギー疾患は、乳幼児期から小児期にかけて発症することが多く、重症化を防ぐには早期発見・早期治療が必要持っていると言われています。
そこで、アレルギーの専門医で、鹿児島市の「あおぞら小児科」院長・立元千帆ドクターに話を聞きました。
なんと「食物アレルギー」と「スキンケア」に関係あることが、医学的にも分かってきているということです。
「小児科で診るアレルギーとしては、食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎が主なものですが、
食物アレルギーに関して言えば、アレルギーの原因『抗原』が、赤ちゃんの時に皮膚から侵入することに対してアレルギーが成立すると言われています。
このため『皮膚から抗原が入ってくる時期に、皮膚を守ることが重要』と今、世界的に研究が行われています。
当院では予防接種の時に皮膚を見て、皮膚が荒れていそうなお子さんの場合、その時からスキンケアを始めてもらっています。
保湿剤やステロイド軟こうを使って皮膚をキレイに保つ。そうすると食物アレルギーになる子供は、かなり少ない印象があります。
「早い段階でスキンケアを一生懸命することが、子供のアレルギーの発症を抑えることにつながるのではと、考えています」
皮膚の状態と食物アレルギーは一見別のことに思えますが、皮膚のバリアが壊れると、そこから食べ物の抗原が侵入してアレルギーを引き起こす可能性があるのです。
食物アレルギーを予防するには、まず赤ちゃんの肌をすこやかにすること。
保湿などをしっかりする「スキンケア」が重要ということになります。
アレルギーの原因として、以前は「妊娠中などのお母さんの食事の影響」も聞かれましたが、立元院長によりますと、今ではそれほど気にしなくていいということです。
「母親の食生活の影響については過去に色々な研究が行われ、妊娠中の食事や母乳期の母親の食事が、
生まれてきた子供に大きく影響することはないということが証明されています。
ひと昔前は、母乳から色んな物質が出るからと、母親の食事制限をした時期もありましたが、そういうことも徐々にされなくなってきました」
Q.むしろ、生まれた後のケアが大切?
「そうです。食物アレルギーに限っていえば、生後6カ月ぐらいまでの皮膚がすごく大事です」
さらに「あおぞら小児科」では、子供のアレルギーに悩む親子をサポートしようと「アレルギー相談」に力を入れています。
この日は、「食物負荷試験」を行う男の子の様子を見学させてもらいました。
お母さんの話によりますと、男の子は「以前、ピーナッツバターを食べて皮膚に変化があった」ということで、
この日の試験では、そのピーナッツバターを院内で男の子に少量食べてもらい、じっくりと時間をかけて様子を観察していました。
実は医院には、ドクター以外にも、アレルギーの相談にのってくれる「小児アレルギーエデュケーター」と呼ばれる看護師が3人います。
日本小児臨床アレルギー学会による試験に合格した、専門的な知識を身につけたスタッフです。
「私が大まかな話をしたあと、小児アレルギーエデュケーターという専門看護師が、さらに約30分かけて詳しく説明しています。
仕組みや皮膚のケアについて、また喘息の子供の場合も、気管支の構造や治療法などについても説明してくれます」
「さらに食物アレルギーは説明に加え、お母さんから話を聞き取るのも時間が必要なので、食物アレルギーの子供に関しては、昼時に1~2人だけしか診察しない枠を設けて30分~1時間かけて対応しています」
毎日多くの患者に対応せざるをえない小児科医院。
そんな中、「小児アレルギーエデュケーター」は、ママたちにとっても気軽に相談できる“頼もしい存在”と言えそうです。
食物アレルギーの症状は様々。最も強い反応では「アナフィラキシーショック」の状態になるなど、子供の命に関わる大切な問題です。
楽しい毎日を過ごすためにも、医療機関のサポートなどを上手に活用して子供たちの成長を支えたいものです。
スマイルベイビープロジェクトは、県小児科医会の医師たちと連携して子育て支援情報を発信中!
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