※5/19(火)KTS Live Newsで放送した内容をまとめています
5/14、鹿児島県を含む39県での緊急事態宣言は解除されました。しかし引き続き県境をまたぐ移動については自粛が呼びかけられる中、里帰り出産をめぐり、出産を控えた母親も、そして母親や赤ちゃんの命を預かる産婦人科も厳しい選択を迫られる状況が続いています。
いちき串木野市出身の橋之口夏美さん(現在妊娠8か月・横浜市在住)は、 鹿児島での里帰り出産を望んでいましたが、新型コロナウイルス感染症で県境を超える移動の自粛要請で、里帰り出産を断念しました。
帰りたいけど、帰れない。苦渋の決断でした。
赤ちゃんが生まれてからどうなるのか、やっていけるのかという不安の中 、「もうやるしかない」と語る橋之口さん。
母親を受け入れる病院も苦渋の選択を迫られています。 県内で最も多くの出産を受け入れている鹿児島市立病院は、これまで年間約900件のうち70件ほどあった里帰り出産の受け入れを、4月から中止しています。
鹿児島市立病院 産科 上塘正人部長
「市立病院は鹿児島県唯一の周産期医療センターなので ここに感染が起きてしまうと鹿児島の周産期医療がつぶれてしまうため どうしても中止せざるを得ません」
その一方、地方ならではの課題も。種子島で唯一の産婦人科「種子島産婦人科医院」(西之表市)は、4月から県外からの里帰り出産の受け入れを中止したことで経営に打撃を受けています。
里帰り出産は、年間40~50件で全体の出産数の約25%を占めます。このまま出産数が減少すると、経営に大きな影響が及ぶことに… それでも里帰り出産を中止した背景には、離島ならではの事情もありました。
種子島産婦人科医院 前田宗久院長
「島の医療体制は本土と比較すると弱いということもあり、一人でも患者が出たら大きな混乱を招くことが予想され、今は我慢するしかないのかなと思います。」
母親にとっても、受け入れる医師らにとっても苦渋の決断となる里帰り出産の中止。生まれてくる赤ちゃんや家族の命を守るため、我慢の時間が続きます。
※現在、種子島産婦人科医院では緊急事態宣言の解除を受けて、引き続き緊急事態宣言が継続している8都道府県と福岡など4県を除いて里帰り出産の受け入れを再開しました。 ただし、県外から来島した場合は自宅で2週間程度健康状態の観察を求めています。
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