妊婦の新型コロナウイルス・ワクチン接種について、KTSで取材・放送しました。
(KTSライブニュース 2021年8月25日放送)
厚生労働省も妊婦は新型コロナに感染した場合のリスクが高いとして、8月23日付けで全国の自治体に対し、妊婦とその配偶者に新型コロナのワクチンを優先接種するよう通達を出しています。
注目を集める妊婦へのワクチン接種について、専門家の意見、県内の自治体の現状について取材しました。
感染症学が専門の鹿児島大学大学院 西順一郎 教授は、妊婦に対するワクチンの優先接種の動きについて次のように語ります。
「自宅療養者が増えている状況でその中に妊婦も含まれ出産に伴う入院が難しい状況が出てきているので、妊婦の人は早めにワクチンを打ってあらかじめ予防してほしい」
「妊娠中の胎児への影響はないし、妊婦への副作用が強く出るということもないので妊娠中のどの時期に打っても比較的安全に接種できていると思うので接種してほしい」
また、西教授は妊婦がワクチンを接種することによる別の意義も指摘します。
「妊婦が接種することでできる抗体は胎盤を通じて胎児に移行する。」
「新生児はお母さんからもらった抗体を持って生まれてくるので、その後の半年、一年ぐらいの感染予防にもなる」
「母乳にもコロナに対する抗体が出ると言われているので、生まれた後赤ちゃんを守るためにも妊娠中に接種することは意義がある」
県内の各市町村は妊婦らのワクチン接種にどのように対応しているのでしょうか。
まずはすでに対応を進めている自治体です。
鹿屋市、大崎町、奄美市、大和村、徳之島町、阿久根市では個別の問い合わせがあった場合には優先して接種したり、キャンセル枠に入れるといった対応をしています。
霧島市、薩摩川内市、龍郷町では産婦人科に多めにワクチンを配分するなど妊婦に対する優先接種を予定しています。
また、鹿児島市やいちき串木野市などご覧の自治体では具体的な方法は決まっていないものの、妊婦へのワクチン接種を優先する方向で検討しているということです。
今回、「優先する方向で検討している」と回答した市町村の中には「国の通知前に接種券を配送していて配送済みの人の中で誰が妊婦なのか見つけるのが難しい」という声も聞かれました。
(KTSライブニュース 2021年8月25日放送)
※放送日時点での情報です。最新情報は各自治体などにご確認ください。